注目ベンチャー紹介:Vermillio

Written by Yuhei Yano

今回の注目ベンチャーの紹介はVermillioです。

AIコンテンツにおけるIP(知的財産)管理・収益化を支援する認証インフラ「TraceID™」を提供しています

※取り扱い注意!こちらの情報の展開は社内限りです※

Vermillio

https://vermill.io/

サービス/プロダクト概要

  • 同社のプラットフォームは、クリエイターやIP保有者の作品・肖像・声などがAIに利用される際に、それを追跡・証明・収益化する機能を提供し、AI時代における新たな“権利の保護・マネタイズ化”を実現する

特徴/提供価値

  • 中核技術「TraceID™」は、コンテンツの要素をハッシュ化し、AI生成物の中に使用された素材の出所を特定可能にする
  • さらに、使用されたIPに対して自動的にライセンス契約を発行し、収益を分配することが可能。
  • また、独自の「4C原則(Consent, Credit, Compensation, Control)」により、生成AI時代における倫理的IP使用の指針を提示し、業界の標準形成を目指している
画像出所:同社Webページ

ビジネスモデル

  • IP認証APIの提供とマイクロライセンス収益の課金モデルを以下2つのプレイヤーに提供:
    • IP保有者(音楽レーベル、アーティスト、俳優等)にはAI利用収益の分配を提供する
    • AI企業(OpenAI、Runwayなど)には合法的なIP使用のインフラを提供する
    この“IPの流通レイヤー”をAPIで担う形は、「著作権版Stripe」のような位置づけといえる

市場動向・なぜこの会社なのか?

  • 生成AIの進化により、テキスト・音声・画像・動画のコンテンツ生成が爆発的に拡大する中、「AIに学習された/生成された著作物が誰のものか」という問題は急速に表面化している。
    • 米国を中心に著作権・肖像権に関する法整備も進行中
    • 大手アーティストによる“AIによる無断使用”への訴訟も増加
    • 一方で、正規ルートでのIP提供により新たな収益源を構築する流れも顕在化
    こうした文脈の中で、Vermillioは“IPを保護しつつも流通させる”ためのハイブリッドなポジションを目指し、先行者利益の獲得を狙う

顧客・競合・パートナー

  • 顧客:
    • 音楽レーベル(Sony Music/出資者でもある)
    • タレントエージェンシー(WME:William Morris Endeavor)
    • 映像・広告業界の著名クリエイター
  • パートナー:
    • Web3/NFT領域と連携し、二次流通追跡の機能も視野
  • 競合:
    • Adobe FireflyやRunwayなど、一部の生成AIプラットフォームが独自IP認証を模索中。
    • かつ多くのメディア企業等はDigital Rights Management (DRM) を用いてデジタルコンテンツを保護している
    • ただし、VermillioのようにAPIレベルで外部提供し、業界全体に開放している例は希少といえる
※取り扱い注意!こちらの情報の展開は社内限りです※

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