注目ベンチャー紹介:Vermillio
2025
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06
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02

Written by Yuhei Yano
今回の注目ベンチャーの紹介はVermillioです。
AIコンテンツにおけるIP(知的財産)管理・収益化を支援する認証インフラ「TraceID™」を提供しています
Vermillio
サービス/プロダクト概要
- 同社のプラットフォームは、クリエイターやIP保有者の作品・肖像・声などがAIに利用される際に、それを追跡・証明・収益化する機能を提供し、AI時代における新たな“権利の保護・マネタイズ化”を実現する
特徴/提供価値
- 中核技術「TraceID™」は、コンテンツの要素をハッシュ化し、AI生成物の中に使用された素材の出所を特定可能にする
- さらに、使用されたIPに対して自動的にライセンス契約を発行し、収益を分配することが可能。
- また、独自の「4C原則(Consent, Credit, Compensation, Control)」により、生成AI時代における倫理的IP使用の指針を提示し、業界の標準形成を目指している

ビジネスモデル
- IP認証APIの提供とマイクロライセンス収益の課金モデルを以下2つのプレイヤーに提供:
- IP保有者(音楽レーベル、アーティスト、俳優等)にはAI利用収益の分配を提供する
- AI企業(OpenAI、Runwayなど)には合法的なIP使用のインフラを提供する
市場動向・なぜこの会社なのか?
- 生成AIの進化により、テキスト・音声・画像・動画のコンテンツ生成が爆発的に拡大する中、「AIに学習された/生成された著作物が誰のものか」という問題は急速に表面化している。
- 米国を中心に著作権・肖像権に関する法整備も進行中
- 大手アーティストによる“AIによる無断使用”への訴訟も増加
- 一方で、正規ルートでのIP提供により新たな収益源を構築する流れも顕在化
顧客・競合・パートナー
- 顧客:
- 音楽レーベル(Sony Music/出資者でもある)
- タレントエージェンシー(WME:William Morris Endeavor)
- 映像・広告業界の著名クリエイター
- パートナー:
- Web3/NFT領域と連携し、二次流通追跡の機能も視野
- 競合:
- Adobe FireflyやRunwayなど、一部の生成AIプラットフォームが独自IP認証を模索中。
- かつ多くのメディア企業等はDigital Rights Management (DRM) を用いてデジタルコンテンツを保護している
- ただし、VermillioのようにAPIレベルで外部提供し、業界全体に開放している例は希少といえる