注目ベンチャー紹介:TerraGrit
2026
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09
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Written by Issei Kusano
今回の注目ベンチャーの紹介は、TerraGritです。
TerraGritは、工場・倉庫・店舗などの実際の現場を、設備・人員・モノの流れや業務プロセスまで含めて仮想空間上に再現し、設備導入・人員配置・工程変更などの効果を、実際の現場で試す前にシミュレーションできるVirtual Pilotプラットフォームです。
TerraGrit
サービス/プロダクト概要
- 工場・倉庫・店舗などの現場を、設備・人員・モノの流れや業務プロセスまで含めてデジタル上に再現し、設備導入、人員配置、工程変更など複数のWhat-ifシナリオをシミュレーションすることで、実際の現場で変更を行う前にThroughput、生産量、コスト、ROIなどへの影響を検証できるVirtual Pilotプラットフォーム。 例えば工場では、生産ライン、加工設備、コンベア、作業員、製品の流れ、シフト、生産能力などをモデル化し、「ロボットを追加した場合、生産量やROIはどう変わるか」「人員配置を変更した場合、待ち時間やコストはどう変わるか」といった施策を事前に比較できる。

特徴・提供価値
- TerraGritは、単に3DのDigital Twinを構築することを目的とせず、Throughput、生産量、コスト、ROI、CapEx/OpExなど、現場変更がビジネスKPIに与える影響を比較し、どの施策を実行すべきか判断するBusiness Decision Toolとして位置付けられている。
- 実際の施設を「Environment」としてモデル化し、設備やプロセスを再利用可能な「Template」として管理。異なる条件の「Instance」を複数作成することで、多数のVirtual Pilotを比較し、有望な案だけを実際のPhysical Pilotへ進めることができる。実際の現場で高コストなPoCを繰り返す必要を減らし、設備投資や工程変更に伴う時間・コスト・失敗リスクを抑えられる。
- 中核技術であるAI-powered Behavioral Engineでは、設備を内部構造や寸法まで精密に1:1で再現するのではなく、例えばコンベアであれば速度、処理能力、コスト、メンテナンス頻度など、現場における設備の機能・挙動をモデル化する。AIが不足データも補完することで、必要なデータ量を抑え、従来は数カ月~年単位かかることもあるシミュレーション環境を短期間で構築できる。
- 初期段階から現実を完全に再現する「絶対精度」を追求するのではなく、複数シナリオの中でどの案が優れているかを判断する「相対精度」を重視。選択した施策を実際の現場へ導入した後、その実績データをモデルへフィードバックすることで、継続的にシミュレーション精度を高めていく設計となっている。
- SAP/ERP、SCADA/AMI、MES/Historian、IoT/Sensor、Data Lake/Warehouseなどの既存システムと連携可能。実際の稼働データを取り込み、生産ライン停止などの状況変化に応じてシミュレーションを再実行し、ライン構成や人員配置などの最適化案を提示することも想定されている。
- 従来のSimulation/Digital Twin製品は、高精度である一方、専門のSimulation Engineerが必要で、構築・運用コストや時間が大きい。TerraGritはNo-code、Cloud、Collaborativeな操作性により、現場・事業担当者でも利用しやすくしている。一方、ExcelなどのPlanning Toolと比べると、設備・人・モノの動きを含む動的シミュレーション、Live Data連携、AIによる予測・最適化、Visualizationを提供でき、「Simulationの分析力」と「Spreadsheetの手軽さ」の間を埋める製品として差別化している。
- TerraGrit側が初期のEngineering/Modelingを支援し、Pilot/PoCを無償で提供するため、顧客は価値を確認した上で有償契約へ移行できる。専任のシミュレーションチームを持たない企業でも導入を開始しやすい点も特徴。
ビジネスモデル
- Cloud型Simulation Platformの利用料を中心としたSaaSモデル。Entry Planは$2,000/月からで、1施設・月1InstanceのPay As You Goから開始でき、実行するInstance数や対象施設数に応じて料金が拡大する。
- Enterprise契約では、施設あたり年間約$100K~$150Kが目安で、5施設以上ではVolume Discountも可能。また、顧客自身が操作するプランだけでなく、TerraGrit側がSimulationを実行して結果まで提供するWhite-glove型の支援も提供する。
- 最初のPilot/PoCはEngineering・Modeling Supportを含めて無償とし、そこでROIや有効性を確認した後、利用施設・Simulation数を拡大していくLand-and-Expand型のモデルとなっている。
なぜ今この会社なのか
- 製造・物流現場では、ロボット・Automation・AI・IoTなど新しい技術の導入が進む一方、「実際に導入した場合、Throughputやコスト、ROIがどう変化するか」を事前に評価することが難しい。従来は実際の現場でPilotを行うか、専門性の高いSimulation Toolを使う必要があり、検証に時間とコストがかかっていた。
- 特にHigh-volume / High-mixの製造現場では、生産スケジューリング、Changeover、人員配置、ライン増設・統合など組み合わせが複雑であり、同社はこうした領域を高いROIが期待できる主要ユースケースとして位置付けている。
顧客・競合・パートナー
- 顧客: 製造、Supply Chain、Retail、Energy、Hospitality、Healthcareなど幅広い業界を対象としており、会社資料では90社以上のFortune 500企業との利用実績を示している。
- ユースケース:最初の有償顧客はUniversal Studios Floridaで、屋内アトラクションにおけるPrivate 5G基地局の配置をSimulationし、VR Headsetの通信品質と投資効果を検証。また、製造業の人員配置・品質管理、店舗運営、電力網のCapacity Planning、ホテルのCheck-in待ち時間、病院のEmergency Room Capacityなどにも利用されている。
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