注目ベンチャー紹介:Teramount

Written by Hiroaki Kawada

今回の注目ベンチャーの紹介はTeramountです。
Teramountは、AIや大規模データ処理向けに、光ファイバーとチップをつなぐ次世代通信技術を開発するイスラエル発スタートアップです。
※取り扱い注意!こちらの情報の展開は社内限りです※

Teramount

https://teramount.com/

サービス/プロダクト概要

  • Teramountは、AI・高性能計算(HPC)・データセンターにおける次世代通信インフラを支えるための、光ファイバーからチップへの接続技術を開発・提供するイスラエル発のスタートアップです
  • 特許取得済みの「自己調整光学技術(Self-aligning optics)」を核としたTeraVERSE製品は、これまでボトルネックとなっていた高速・低遅延なデータ伝送の大きな課題の一つであるシリコンフォトニクスと光ファイバーの高精度の光接続を解決する

特徴/提供価値

  • スケーラビリティ:従来の光接続技術とは異なり、Teramountの自己アライメント機構は従来技術のチップレベル実装(±1μm)で微小なシリコンフォトニクスチップとの光の接続が可能。これにより、スケーラブルかつコスト効率の高い量産体制が実現できる
  • チップメーカーとの親和性:多数のチップベンダー、ファウンドリ、シリコンフォトニクス企業と連携し、すでに製品出荷を開始している
  • なにより多数存在するシリコンフォトニクスメーカーのチップと光ファイバーを繋ぎこみという難しい技術に特化した部材を開発しているポジションは珍しく、競合が少ない
図1:シリコンフォトニクス(黄色い部分)と光ファイバー(右上)の接続部品_TERAVERSE
‍図2:図1の拡大図

ビジネスモデル

  • B2Bライセンス/ファブレス製品販売: TeraVERSE製品をチップベンダー、半導体ファウンドリ、シリコンフォトニクス企業へ提供
  • NRE契約や量産契約を通じて収益を得る
  • 自社で製造設備を持たず、Global Foundariesなどに製造を委託している

市場動向・なぜこの会社なのか?

  • AI(HPC)需要の爆発的成長: AIモデルの巨大化に伴い、チップ間・システム間の光による高速通信が不可欠になっている
  • 既存技術の限界:現在の電気的インターコネクトや既存の光ファイバー接続では、スピードとバンド幅と電力効率に限界がある
  • 現在シリコンフォトニクス(≒XPUなどチップ近傍に置く光↔電気トランシーバー)が注目を集めているが Teramountの技術は、これらの業界リーダーとの連携を通じて信頼を獲得しており、光接続(シリコンフォトニクスチップ↔光ファイバー)における今後のデファクトスタンダードとなる可能性がある
  • その技術はユニークで図3のようにZ方向精度はをマウント部材やガラススペーサーで担保し、X,Yの平面方向のアライメント精度は反射集光レンズによって実装時にファイバーの位置が少しずれてもしシリコンフォトニクスの光導入部に光が集光される構造となっている
  • 光ファイバは図4のように20本、2段で40本並べられており、TERAVERSEがこれらの光信号を数mm角のシリコンフォトニクスチップ接続し、シリコンフォトニクスチップは光を電気信号に変換する
図3:自己調整光アライメントの原理
図4:光ファイバの実装ピッチ

顧客・競合・パートナー

  • 顧客(候補):Intel, AMD, Broadcom, NVIDIA
  • パートナー:GlobalFoundaries, Tower Semiconductor, EV Group, ASMPT AMICRA, I-PEX
  • 競合:Ayar Labs, POET Tachnologies, Fujikura, 住友電気, Molex
※取り扱い注意!こちらの情報の展開は社内限りです※

こちらの記事に対するお問い合わせやMTGの依頼などはこちらのアドレスからお気軽にご連絡ください。
info@tgvp.vc
TGVPは米国を中心としたスタートアップ企業とTOPPANグループの連携を推進しております。