注目ベンチャー紹介:Stuut

Written by Yusaku Masunaga

今回の注目ベンチャーの紹介はStuutです。
Stuutは、企業の 売掛金管理(Accounts Receivable)業務 を、AI によって自動化/代替するプラットフォームを提供しています。
※取り扱い注意!こちらの情報の展開は社内限りです※

Stuut

https://www.stuut.ai/

サービス/プロダクト概要

Stuutは、単なる売掛金管理業務の支援ツールではなく、ソフトウェアが実際に業務を遂行するAIエージェントとして設計されており、人手による手作業を大幅に削減することを目的としています。

具体的には以下の機能を提供します。

  • 債権回収(collections):顧客への請求・督促を、メール/SMS/音声通話などを通じて自律的に実行。
  • 入金照合・キャッシュアプリケーション(cash application):入金データと請求書の照合、適用を自動で行う。
  • 支払い処理、割引・控除・クレーム対応、紛争管理(deductions / credits / disputes)を含む、売掛金サイクル全体の自動化。
  • 既存ERPシステムとの統合:多くの企業の既存基幹システムに対して、比較的短期間(1週間未満)で組み込み可能としている。
同社HP

特徴・提供価値

  • エンドツーエンドの自動化:請求から回収、入金照合、紛争処理まで、ARの全プロセスをAIが代替。従来になかったレベルの自律性を提供。
  • 迅速な導入と即時効果:従来のAR改善ソフトウェアが6〜18か月必要とする導入期間に対し、Stuutは数日〜1週間で稼働可能とされ、導入後すぐに効果を出せる。
  • 財務健全性の改善:Stuutを使うことで、過払い/未回収の減少、キャッシュフロー改善、未収債権の削減が期待される。報告では、平均で未回収残高が約40%減少、手作業時間が約70%減少という成果が挙げられている。
  • 人材コストと労力の削減:ARチームが膨大な督促/照合/問合せ対応といった反復作業から解放され、より価値の高い業務に集中可能。
  • 企業文化・構造への適応容易性:既存のERPやコミュニケーション/請求システムを大きく変えずに導入できる。

ビジネスモデル

主に企業向けSaaS/サブスクリプション+トランザクションベース。

なぜ今この会社なのか

  • 多くの企業で売掛金管理は依然として手作業か、部分的なツール支援に依存しており、効率化の余地が大きい。特に取引量が多く、顧客・請求先が多数ある企業では人的コスト・ミス・未回収リスクが重い。
  • AIと大規模データ処理の進展により、これまで複雑すぎて自動化できなかった例外処理・クレーム対応・複数チャネルでの顧客対応までも、AIエージェントで扱えるようになった。
  • 企業のキャッシュフロー改善、財務の効率化、バックオフィス合理化への圧力。特にインフレや金利高、サプライチェーン混乱など経済の不確実性が高い中で、売掛金管理の改善は重大な経営課題。

顧客・競合・パートナー

  • 競合
    • ERPソフトウェアやRPAサービスなどが競合。より人手を減らすことができることで差別化を狙う。
※取り扱い注意!こちらの情報の展開は社内限りです※

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