注目ベンチャー紹介:SKORPIOS TECHNOLOGIES

Written by Hiroaki Kawada

今回の注目ベンチャーの紹介はSKORPIOS TECHNOLIGIESです。
SKORPIOSは、シリコンフォトニクスとIII-Vレーザーを単一チップ上に統合するheterogeneous integration技術を中核に、データセンター向け光インターコネクトを開発するフォトニクス企業であり、米国内に自社Fabを持つ垂直統合型の開発体制を特徴とするスタートアップです。
※取り扱い注意!こちらの情報の展開は社内限りです※

SKORPIOS TECHNOLOGIES

https://www.skorpiosinc.com/

サービス/プロダクト概要

  • Skorpios Technologiesは、シリコンフォトニクス(SiPh)とIII-V半導体レーザーを単一チップ上に統合するheterogeneous integration photonics技術を中核とするフォトニクス企業であり、データセンター向け光インターコネクトおよび光トランシーバーの開発を行っている
  • 同社の特徴は、III-V半導体レーザー材料をウェハレベルでシリコンフォトニクス基板上に接合し、その後CMOS互換プロセスで加工する「heterogeneous integration」技術にあり、従来別チップとして実装されていたレーザーをSiPh回路と同一プラットフォーム上に統合できる点にある
  • この技術により、レーザー、変調器、導波路、受光素子などのフォトニック機能を単一チップ上に集積する**フォトニック集積回路(PIC)**を構成し、光源から変調・伝送までを一体化した光インターコネクトの実現を目指している
  • データセンター光通信では通常、レーザー光源は外部レーザーモジュールとして提供され、シリコンフォトニクスPICへ光を供給する構造が多いが、この構造では光結合損失、実装複雑性、部品点数増加などの課題が生じる
  • SkorpiosはIII-V材料をシリコンフォトニクスウェハに直接接合することで、光源とフォトニック回路を同一チップに統合し、高帯域密度・低消費電力・小型化を同時に実現する光インターコネクトの実現を目指している
  • また同社はフォトニクススタートアップとしては珍しく米国に自社Fabを保有する垂直統合型企業であり、設計からプロセス開発、製造までを一体化したフォトニクス開発体制を構築している
III-Vレーザーとシリコンフォトニクスを統合したSkorpiosのフォトニック集積チップ(Tru-SiPh™)

特徴/提供価値

  • 従来のシリコンフォトニクスでは、レーザー光源はIII-V半導体で製造された外部デバイスとして提供され、ファイバーや光結合構造を通じてPICに光を導入する必要があった
  • この方式では、光カップリングのアライメント精度や温度管理、パッケージング複雑性などが課題となり、部品点数増加や製造コストの上昇につながる
  • Skorpiosのheterogeneous integration技術では、III-V材料をシリコンフォトニクスウェハ上に直接接合することで、レーザーを含むフォトニック機能を単一チップ上に統合できる
  • この構造により、外部レーザー供給に伴う光結合損失や実装工程を削減できるため、光トランシーバーの小型化・高密度化・高信頼性化を実現できる可能性がある
  • また、光源がPIC内部に統合されることで、CPO(Co-Packaged Optics)などの次世代光インターコネクトアーキテクチャにも適合しやすくなる
  • Skorpiosは自社Fabを保有しているため、材料接合やフォトニックデバイス加工などのプロセス開発を自社内で最適化でき、設計・プロセス・製造を一体化した開発サイクルを回せる点も特徴となっている

ビジネスモデル

  • Skorpiosは、フォトニック集積技術およびIII-V/SiPh統合プロセスを中核とした垂直統合型フォトニクス企業であり、設計から製造までの一体型プラットフォームを構築している
  • 同社はフォトニックIC設計やプロセス技術を自社で保有しつつ、データセンター向け光トランシーバーやフォトニックデバイスを通信機器メーカーやクラウド事業者へ提供するB2Bモデルを想定している
  • また、heterogeneous integrationプロセスやフォトニック製造技術を活用し、フォトニクスデバイスの製造やプロセス開発サービスなどのファウンドリ的ビジネスも展開している
  • こうしたモデルにより、製品提供と製造サービスの両方を組み合わせながらフォトニクス技術の商用化を進めている
米国Temecula (CA)にあるSkorpios TechnologiesのフォトニクスFabとクリーンルーム設備

市場動向・なぜこの会社なのか?

  • AIデータセンターではGPUクラスタの拡大に伴い、サーバー間通信帯域が急増しており、ネットワークインフラの光化が急速に進んでいる
  • 現在の光通信は400Gから800G世代へ移行しており、将来的には1.6Tクラスの光トランシーバーも視野に入っている
  • しかし、従来のプラガブルトランシーバー構造ではASICと光モジュール間の電気配線長が増えることで、消費電力と信号損失が急増する課題がある
  • こうした課題への対応として、光エンジンをASIC近傍に配置する**CPO(Co-Packaged Optics)**などの新しい実装アーキテクチャが検討されている
  • この流れの中で、光源を含むフォトニック機能を高密度に統合するフォトニックICの重要性が高まっている
  • Skorpiosはheterogeneous integration技術によりIII-Vレーザーとシリコンフォトニクスを統合するアプローチを採用しており、光源統合型フォトニックICという構造的課題に対する一つの解決策を提供する企業として注目される

顧客・競合・パートナー

  • 顧客:,光トランシーバーメーカー、データセンターネットワーク機器メーカー、ハイパースケールクラウド事業者
  • パートナー:村田製作所、Luxshre (中国)、 ColorChip(イスラエル)
  • 競合(Fabモデルなので顧客にもなりえる):Intel Silicon Photonics、Cisco / Acacia、Infineraなどのフォトニック統合技術企業
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