注目ベンチャー紹介:NovoSpace

Written by Yuhei Yano
今回の注目ベンチャーの紹介はNovoSpaceです。
同社は、宇宙向け電子機器の設計・統合・運用を支える ハードウェア・ソフトウェア・プラットフォームを統合した宇宙コンピューティング基盤を開発しています
Novo Space
サービス/プロダクト概要
- 同社のソリューションは主に以下の3つの要素で構成されている。
- モジュラー型宇宙コンピュータ(SpaceVPXベース)
CPU、GPU、FPGA、ストレージ、I/Oなどをモジュール化した宇宙用電子機器を提供。
SpaceVPX規格に準拠したアーキテクチャにより、衛星ごとに異なる構成を柔軟に組み合わせることが可能。 - Rad-tolerantコンピューティング
高性能な商用半導体(COTS)を宇宙環境で利用できるよう、冗長設計やエラー訂正などの技術を組み合わせた放射線耐性設計を採用。
これにより、従来のRad-Hardチップに比べて大幅に高い性能を実現できます。 - Petrona設計プラットフォーム
衛星ミッションの要件から、最適なハードウェア構成やソフトウェア環境を生成する設計プラットフォームです。宇宙機のシステムアーキテクチャ設計を自動化し、開発期間の短縮を目指す。
- モジュラー型宇宙コンピュータ(SpaceVPXベース)

特徴/提供価値
Novo Spaceの最大の特徴は、宇宙機開発において
「ハードウェア標準化 × 設計自動化 × ソフトウェア化」を同時に実現しようとしている点
従来の宇宙機は、ミッションごとに専用設計されたカスタム電子機器が使われることが一般的。
そのため、開発期間は3〜7年、コストは数千万〜数億ドルに達する。
Novoのアプローチでは
- ハードウェアをモジュール化
- 設計をソフトウェアで構成
- ソフトウェアを分離可能なアプリとして実装
することで、宇宙機をよりプログラマブルなシステムへと変えている。
これは地上のITインフラでいうと、
- サーバーの標準化
- インフラ自動化
- コンテナ化
が進んだクラウドアーキテクチャに近い発想。
Novoは、将来的には衛星上で複数のアプリケーションを柔軟に実行できるようなソフトウェア定義宇宙機(Software-defined spacecraft)の実現を目指している。
ビジネスモデル
Novoの現在の主な収益源は 宇宙用電子機器の販売。
同社のモジュール型コンピュータは衛星の中核となる機器であり、コンステレーション衛星の増加に伴い、継続的な需要が見込まれる。
さらに将来的には、以下のようなプラットフォーム型収益モデルを構想。
- Petronaのエンタープライズサブスクリプション
- ハードウェア/ソフトウェアのマーケットプレイス
- 衛星運用サービス
- データ分析サービス
つまり、ハードウェア販売を入り口として、宇宙コンピューティングのエコシステムを構築する戦略。
市場動向・なぜこの会社なのか?
宇宙産業は現在、急速な成長期にあり世界の宇宙経済は2035年までに約1.8兆ドル規模に拡大すると予測されている。
その背景には
- LEO通信コンステレーション
- 地球観測
- 月・深宇宙探査
- 軍事・安全保障用途
などの需要拡大がある一方で、宇宙機の開発は依然として長い開発期間と高コストという構造的な課題を抱えている。
また、打ち上げコストは劇的に下がったが、衛星開発そのものの速度はまだ改善されていない。
Novo Spaceはこの問題に対して、宇宙機のコンピューティングアーキテクチャを標準化するというアプローチで取り組んでいる。
もし宇宙機器の設計がよりソフトウェア化されれば、開発スピードは大きく変わる可能性がある。
顧客・競合・パートナー
- 顧客:
- 宇宙機器メーカー
- 競合:
- 伝統的宇宙電子機器メーカー:
- BAE Systems
- Honeywell
- Microchip
- NewSpace系電子機器企業(SU系)
- Ramon.Space
- EnduroSat
- KP Labs
- 伝統的宇宙電子機器メーカー: