注目ベンチャー紹介:Nexalus

Written by Hiroshi Tanaka
今回の注目ベンチャーの紹介はNexalusです。
Nexalusは、マイクロジェット衝突冷却を基盤とした次世代冷却技術を開発。
CPU/GPUへ高速で微細ジェットを直接吹き付けることで、従来の空冷や冷却板方式より高い熱除去性能を実現します。
Nexalus
サービス/プロダクト概要
マイクロジェット衝突冷却を基盤とした次世代冷却技術を開発。
CPU/GPUへ高速で微細ジェットを直接吹き付けることで、従来の空冷や冷却板方式より高い熱除去性能を実現。
特徴/提供価値
・高熱流束領域に強いマイクロジェット衝突冷却により、チップ表面のホットスポットを直接冷却し、AI/HPC時代の高TDPに対応する高効率な熱除去を実現する。
・低圧・低流量で動作し、ポンプ負荷や循環電力を抑制できる。密閉型の液路構造により漏れリスクが低く、運用コストを削減しながら高性能を維持する。
・冷却・制御・循環を1Uモジュールに統合し、実装効率と施工性を高める。廃熱を温水として回収でき、PUE改善と環境負荷削減に寄与する拡張性を持つ。
・ノズル配置を柔軟に最適化でき、サーバ構成やチップの世代が変わっても対応しやすい。冷板を作り替えずに済むため、将来のGPU/CPU更新にも耐性が高い。

ビジネスモデル
自社開発のマイクロジェット冷却モジュール(1U封止システム、冷却ブロック)と循環ユニット(CDU)をOEM・データセンターに提供する装置販売モデル。
一部では熱回収システム、エネルギー最適化含む導入コンサル・サブスクリプション型保守を組み合わせ、エコシステム型の収益モデルを採用している。
市場動向・なぜこの会社なのか?
・GPUのTDP急増で空冷や既存DLCの限界が顕在化し、より強力な局所冷却技術が求められている。ホットスポットを直接冷却する手法が特に重要性を増している。
・データセンターの電力逼迫とPUE改善要求が高まり、冷却効率と同時に廃熱活用が可能な技術が求められる。Nexalusはその両立を実現できる特徴を持つ。
・液浸のような大規模改修を必要とせず、既存ラック構成に適合する点は導入障壁を下げる。Hyperscalerが求める「低リスク導入」に相性が良い。
・独自ノズルや流路設計の特許群により、他社が模倣しにくい技術基盤を持つ。競争が激化する液冷市場で明確な差別化要因として機能している。

顧客・競合・パートナー
・顧客:HPC事業者、ゲーミングPCメーカー、データセンター事業者
・競合:Submer、Asperitas、Accelsius
・パートナー:Intel、TrinityCollege Dublin、Science Foundation Ireland