注目ベンチャー紹介:Mosaic Microsystems

Written by Hiroaki Kawada

今回の注目ベンチャーの紹介はMosaic Microsystemsです。
Mosaic Microsystemsは、薄いガラス基板を用いた先進パッケージング技術(TGV・RDL・ガラスインターポーザ) を提供する米国ロチェスター拠点のスタートアップです。
※取り扱い注意!こちらの情報の展開は社内限りです※

Mosaic Microsystems 

https://www.mosaicmicro.com/

サービス/プロダクト概要

  • Mosaicは、極薄ガラスを高歩留まりで加工可能にする「Viaffirm®」という独自の一時接合技術を核とし、以下のガラスベースの製造プロセスを提供します。
  • ガラスの優れた電気特性・低損失・高精度加工を活かし、5G/6G、AI向け光電融合、マイクロ流体デバイスなど幅広いアプリケーションに対応しています。
  • Through-Glass Via(TGV)形成:高アスペクト比かつ均一なビアを化学エッチングで形成
  • RDL(再配線層)形成:5–15 µmクラスの微細配線に対応
  • ガラスインターポーザ:AI/Chiplet向けの2.5D/3Dパッケージに活用
  • 薄ガラスハンドリング:100 µmクラスのガラスを高温・薬液プロセスに対応した状態で処理
Fig.1 Mosaic Microsystemsの概要

特徴/提供価値

  • 低損失・高周波特性:ガラスはSiや有機に比べRF損失が小さく、5G–6G・高周波RFに最適
  • 高精度 TGV:径10–30 µmクラスのビアを高密度形成でき、AI/Chipletの高I/O化に対応
  • フォトニクス対応:透明基板であるため、光導波路・V-groove構造・Co-packaged Optics に相性が良い
  • マイクロ流体(Bio)対応:ガラスの化学耐性を生かした微細流路・キャビティ形成が可能
  • 最大の特徴は100-200μm極めて薄いガラスをシリコンキャリアに張り付ける仮止め及び基板ハンドリング技術
  • 特にViaffirm®は高温(〜450°C)・酸/溶剤・プラズマに耐える無機薄膜接合で、ガラス加工にありがちな破損・キャリア接着剤残渣問題を解消し、半導体既存インフラでの薄ガラス加工を可能にする点が最大の強み
薄ガラス処理の工程と一時接合技術
ガラスRDLの試作結果及びプロセス耐性

ビジネスモデル

  • ガラスインターポーザやTGV付きガラスウェハの製造受託(ファウンドリモデル)
  • 顧客要求に応じた材料選定(Fused Silica / ABS / Quartz)+設計+加工プロセス開発及び特許ライセンシング
  • 一部、防衛・政府機関との共同研究開発(R&D契約)

市場動向・なぜこの会社なのか?

  • AIサーバーの高性能化で、高周波・大容量伝送・Chiplet化が加速
  • 従来の有機基板では、損失・熱・反り・精度に限界が見え始めている
  • ガラスは「低損失・高剛性・光学対応・高密度配線」が評価され、6G・衛星通信・光電融合向けで注目
  • Mosaicは量産レベルでの薄ガラス加工を実現し、次世代パッケージ市場の立ち上がりを支えるプレイヤーになり得る可能性がある
  • 基板サイズは最大300mmφのウェハに対応可能。将来的には□310mmのPanelを検討

顧客・競合・パートナー

  • 顧客(候補含む): Nokia、onsemi、Analog Devices、Coherent、Illumina
  • パートナー(候補含む):Raytheon、Lockheed Martin、BAE、Draper、NASA
  • 競合:ガラス系(Corning, SCHOTT, AGC, HOYA)、有機/Si系インターポーザプロバイダ
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