注目ベンチャー紹介:Lux Semiconductors

Written by Hiroaki Kawada

今回の注目ベンチャーの紹介はLux Semiconductorsです。
Lux Semiconductorsは、半導体パッケージのコア部分に金属を用いた「Smart Metal Core Substrate」技術を開発する米国のスタートアップです。従来、パッケージ基板の中心部(コア素材)はポリマーやガラスが主流でしたが、Luxはこれを金属に置き換えることで、大面積チップ対応・放熱性・信号品質の向上を図っています
※取り扱い注意!こちらの情報の展開は社内限りです※

Lux Semiconductors 

https://www.luxsemiconductors.com/

サービス/プロダクト概要

  • Luxの「Smart Metal Core」は、金属コアをベースとしたパッケージ基板技術です。独自のThrough-Metal Via(TMV)プロセスでは、まず金属のコアそのものから製造を始め、ビアの内壁をガラスなどの絶縁体でライニング(被覆)し、その内部に銅などの導体を形成することで、金属中でも確実な電気絶縁を保ちながら信号・電力を通す経路を実現している
  • この構造により、コア内の金属含有量を最大化しつつ、絶縁性・信号品質・熱伝導性・機械強度を同時に確保することができる。結果として、複数GPUや大容量メモリを搭載する大面積パッケージへの対応が可能となり、AI向け半導体のパッケージ設計に新たな選択肢を提供する
Fig.1 Luxの基板イメージ1
Fig.2 Luxの基板イメージ2

特徴/提供価値

  • 反り(Warpage)低減:高剛性により、大面積パッケージでも基板の反りを抑制
  • 熱性能の向上:金属の高い熱伝導性により、チップの発熱を効率的に拡散
  • 信号品質の向上:「同軸TMV」によってクロストークを抑制し、高速信号伝送に対応

ビジネスモデル

  • Luxは金属コア基板の製造・供給に特化し、完成品の基板をサブストレートメーカーに提供する
  • メーカーはその上に配線層やチップ実装を行い、完成パッケージとして出荷
  • 政府機関や大手防衛企業との共同開発も進めており、複数の試作・検証プロジェクトが進行中

市場動向・なぜこの会社なのか?

  • AIサーバー向け半導体では、チップサイズの大型化と高出力化が進み、従来のポリマー・ガラス基板では反り、放熱、電力供給に課題が生じている
  • Luxの金属コアは現在は米国内でパワーモジュールのユースケースなどをきっかけにデータセンター向けでも注目されつつある
  • Luxは先行して量産対応の技術開発(基板サイズの大型)の検討を始めている

顧客・競合・パートナー

  • 顧客: AIチップメーカー、HPCシステムベンダー、防衛関連企業
  • パートナー(顧客含む):Calumet、Lockheed Martin、DARPA、US Airforceなど
  • 競合:有機コア-Resonac, MGC ガラスコア-Corning, SCHOTT, AGC, HOYA
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