注目ベンチャー紹介:LighthouseAI
2026
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01
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Written by Yuhei Yano
今回の注目ベンチャーの紹介はLihgthouseAIです。
同社は、米国ライフサイエンスおよび医薬品サプライチェーン向けのRegTech(規制テクノロジー)企業です。
LighthouseAI
サービス/プロダクト概要
- 州・連邦レベルで非常に断片化した医薬品規制・ライセンス要件を、AIと決定論的ルールエンジンを用いて自動判定・管理するプラットフォームを提供
- 中核となるプロダクトは「Intelligence」と「Management」の2つで構成。
- Intelligence:80以上の規制当局、2,000以上の州・連邦規制を常時モニタリングし、各施設(薬局、卸、3PL、製造業者など)の
- 事業形態
- 取扱製品(例:管理薬、コールドチェーン製品)
- 地理的条件
- Management: ライセンス更新のリマインド、タスク管理、関連書類の保管、タイムスタンプ付きの履歴管理を行い、規制当局の監査に即応できる証跡管理を実現する。
- Intelligence:80以上の規制当局、2,000以上の州・連邦規制を常時モニタリングし、各施設(薬局、卸、3PL、製造業者など)の

特徴/提供価値
LighthouseAIの最大の特徴は、「規制テキストを検索するツール」ではなく、「事業体ごとに必要な対応を即時に判断する“規制判定エンジン”」である点にある。
1.Facility-Specific Logic(施設特化ロジック)
- 一般的な法令データベース(LexisNexis等)が「広範な法令文」を提示するのに対し、LighthouseAIは施設の属性を前提条件として、適用される規制だけを抽出する。
- これにより、不要な規制情報に埋もれることなく、実務に直結する判断が可能になる。
2.Deterministic Model(決定論的モデル)
- 生成AI(LLM)にありがちな“それらしいが誤った回答”を排除するため、LighthouseAIは決定論的ロジックと人のレビューを組み合わせた設計を採用。
- 規制領域において最も重要な「間違えないこと」を最優先にした設計思想。
3.Human-in-the-loop が前提の設計
- 完全自動化が困難な規制領域において、規制専門家がAIの判断を補正・学習させる仕組みを組み込むことで、精度と信頼性を両立。
- この人×データ×AIの組み合わせ自体が、参入障壁(moat)となっている。
ビジネスモデル
SaaS+サービスのハイブリッドモデルを採用
- SaaS(ARRの中心)
- Intelligence
- Management
- サービス収益
- 新規州ライセンス取得
- ライセンス変更対応
- 更新支援
現時点では売上全体に占めるサービス比率は高いが、ARRの大部分はすでにSaaSが占めており、「コンサル主導 → ソフトウェア主導」への移行フェーズにある
価格は、
- 管理施設数
- 規制の複雑性
- 利用プロダクト(Intelligence / Management)
に応じてスケール中。
市場動向・なぜこの会社なのか?
DSCSA(米国医薬品サプライチェーン法)が最大の追い風
2026年11月、DSCSAの猶予期間が終了し、すべての取引当事者は「Authorized Trading Partner(ATP)」であることを相互に確認しなければならなくなる。
- 有効な州・連邦ライセンスを持たない
- それを電子的に証明できない
場合、取引自体ができなくなる。
これは特に、
- 約19,000の独立系薬局
- 約2,500の中小製造業者
- ニッチな3PL
といったIT投資が進んでいない“長い裾野(long tail)市場”にとって大きな「コンプライアンス・リスク」となる。
LighthouseAIは、
- コンサル(月$40k超)ほど高価ではなく
- 大手エンタープライズソフト(IQVIA等)ほど過剰でもない
「規制対応をしないと事業が止まる中小企業」に最適化されたポジションを取っている点が強み。
顧客・競合・パートナー
- 顧客:
- 製薬会社
- 3PL、卸
- 独立系薬局・中小事業者
- 競合:
- コンサル/法律事務所:高信頼だが非スケーラブル・高コスト
- エンタープライズソフト(Veeva, IQVIA):R&D中心でSMB向けには過剰
- トラック&トレース企業(例:TraceLink):隣接領域。ATP検証は補完関係になり得る