注目ベンチャー紹介:Keycard
2025
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Written by Yusaku Masunaga
今回の注目ベンチャーの紹介はKeycardです。
Keycardは、AIエージェント/ソフトウェアエージェント向けの アイデンティティ&アクセス管理(IAM)プラットフォーム を提供するスタートアップです。
Keycard
サービス/プロダクト概要
Keycard は、AIエージェント/ソフトウェアエージェント向けのアイデンティティ&アクセス管理(IAM)プラットフォームを提供するスタートアップです。
以下のような機能を提供します。
- AIエージェントが企業システム・データにアクセスする際に、誰がそのエージェントを起動したか、そのエージェントがどのタスクモードであるかを明確にし、権限を「タスク単位・実行環境単位」で制御
- 静的な API キー/シークレットではなく、動的・エージェント固有・タスク対象トークンを使用し、実行中にリアルタイムでアクセス制御・取り消しが可能な仕組み
- 大規模インフラに対応可能な設計で、「エージェント化されたソフトウェアが数千・数万として動く世界」に備えたプラットフォーム

特徴・提供価値
- エージェント時代向けのアクセス管理:ヒトユーザー中心のアクセスモデルから、AIエージェント中心・タスク中心のアクセスモデルへ移行する中でのギャップを埋める。
- コード変更不要のポリシー適用/コントロール機構:既存のアプリケーション/システムに大きな改修を入れずとも、Keycardのトークン・ポリシーを挟むことで制御を追加できる。
- 可視性と監査性の強化:エージェントごとの実行ログ、どのアプリケーション/ユーザーがそのエージェントを生成したか等を記録・追跡可能に。
- スケーラブルかつ信頼性の高いインフラ:AIエージェントが大量に展開される環境下でも対応可能な設計
ビジネスモデル
主に企業向けSaaS/プラットフォームモデル。エージェント数やトークン数などで課金。
なぜ今この会社なのか
- AIエージェントの普及が急速で、企業内/クラウド/ベンダー環境でエージェントが大量に動く「エージェントエコノミー」の時代の可能性が出てきており、Keycard はその基盤インフラを狙っている。
- 従来の IAM/アクセス管理モデル(ヒトユーザー+静的シークレット)では、エージェント/機械主体のワークロードを安全に制御するには十分ではないという課題が浮上。
- 規制・監査・コンプライアンス要求が強まり、特にAI利用・自動化が進む企業では「誰が/何を/いつ/どこで」実行したかを追える仕組みが必要。
顧客・競合・パートナー
- 競合
- 従来の IAM/アクセス管理プラットフォーム(例えばOkta)。これらは主に人ユーザー向け・静的キー/認証中心であり、エージェント主体・タスク単位・動的トークンという観点では特化できていない。
- 新興のエージェントセキュリティプレイヤー。スタートアップ中心だが、Keycardはこの分野を先駆けている。
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