注目ベンチャー紹介: Indicio

Written by Issei Kusano

今回の注目ベンチャーの紹介はIndicioです。
Indicioは、検証可能なクレデンシャル(VC: Verifiable Credentials)を発行、保持、検証するプラットフォームを提供しています。

※取り扱い注意!こちらの情報の展開は社内限りです※

Indicio

https://indicio.tech/

サービス/プロダクト概要

  • 企業や組織が、顧客や従業員のデジタルアイデンティティを安全かつ信頼できる形で発行・管理・検証するための基盤(プラットフォーム)を提供
出所:Indicio Webサイト

特徴・提供価値

  • 「Indicio Proven」を提供し、検証可能なクレデンシャルを暗号的に封印されたコンテナとして発行、保持、検証することを可能にすることで、個人が自身の身分証明データ(運転免許証、卒業証書、従業員証など)を自分のスマートフォン上の「デジタルウォレット」で完全にコントロール可能。企業は顧客データを「預かる」リスクから解放される
  • 複数のクレデンシャルプロトコル(DIDCOM、OIDC)をサポートし、他の国や他の業界が発行したVCも受け入れが可能(例:海外の大学が発行した卒業証明書を、日本の企業が検証できる)。ベンダーロックイン(特定の企業システムに縛られること)を防ぐことが可能
  • EUデジタルIDウォレット義務化など、世界的な要件に準拠
    • 導入実績
      • 2025年10月15日:政府の国境管理プロジェクトで大規模本番稼働開始。1日数千人の旅客を処理
      • SITAとの提携による世界初のICAO準拠デジタル旅行認証導入
      • 金融サービス(KYC/口座開設)向け:既存オンボーディングプロセスの追加レイヤーとして適用可能
  • 柔軟な導入オプション(オンプレミス、クラウド、SaaS)を提供
  • データは暗号化され、ユーザーのウォレット内にのみ存在します。検証時には、必要な情報だけを(例:「20歳以上である」という事実のみ)を提示でき、生年月日などの余計な個人情報を渡す必要がない(選択的開示)
  • 紙の証明書やプラスチックカードとは異なり、デジタル署名された検証可能なクレデンシャルの偽造は数学的に極めて困難であり、企業は、「その証明書が本当に〇〇大学(または〇〇銀行)によって発行されたものか」を瞬時かつ、自動で検証可能

ビジネスモデル

  • プラットフォームを利用のためのサブスクリプション料金+トランザクション料金

なぜ今この会社なのか

  • 企業はサービス提供のために、大量の個人情報(PII)を自社のデータベースに保管する必要があり、情報漏洩が発生した場合リスクを常に抱えている。
  • Indicioを利用することで、個人情報はユーザー自身のデジタルウォレット(スマートフォン)にのみ存在することになり、企業は、その情報が本物であるかを「検証」するだけとなる。
  • 従って、企業は顧客の生データを自社サーバーに保管する必要がなくなり、情報漏洩リスクを劇的に低減でき、データ管理コストやセキュリティ対策コスト、プライバシー規制への対応コストを大幅に削減可能

顧客・競合・パートナー

  • パートナーシップ:DNPおよびNECからの戦略的提携・出資(非独占的契約)
  • 顧客:SITA、政府など

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