注目ベンチャー紹介:Freshr Technologies
2026
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03
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09

Written by Ryo Takei
今回の注目ベンチャーの紹介はFreshr Technologiesです。
Freshr Technologiesは、低環境負荷のアクティブ包装技術を通じて食品ロス削減を目指すカナダ発のクリーンテック企業です。独自の天然由来の抗菌コーティング技術を用いた「FreshrPack™」により、鮮魚やその他の生鮮タンパク質の賞味期間を延ばし、食品廃棄を大幅に減らすことを目指しています。
Freshr Technologies
サービス/プロダクト概要
- Freshr Technologiesのプロダクトである FreshrPack™ は、天然由来の抗菌成分を組み込んだ水性アクティブコーティング技術です。これはシート、ロール、バッグなど複数の形態で包装フィルムに化学的に固定でき、鮮魚やその他の生鮮タンパク類の腐敗原因となる細菌の増殖を抑制します。これにより、鮮度を保持しながら廃棄を抑制する包装ソリューションとして、既存の包装形式に組み込み可能です。

特徴・提供価値
- 食品ロス削減への貢献:同社の食品包装材料は、高付加価値な鮮魚類をはじめとする鮮度の高いタンパク質製品の保存期間を15〜30%延長し、腐敗を抑制することで食品ロスの削減に貢献。保存期間の延長により、流通業者はより費用対効果の高い輸送手段を選択できる柔軟性が得られ、小売業者にとっては廃棄削減を通じて本来失われていた収益の回復につながる。
- 天然由来素材を用いた環境配慮設計:FreshrPack™ は天然由来の抗菌素材を使用しており、生分解性フィルムや再生素材フィルムへの適用も可能。これにより、内容物の廃棄削減だけでなく、包装材自体の環境負荷低減にも寄与する。
- 既存包装プロセスへの高い互換性:シート、ロール、バッグなど多様な形状のフィルムに対応し、既存の包装プロセスに容易に統合可能。食品メーカーや加工業者は、追加設備投資を抑え迅速に導入することができる。
- 食品の腐敗を抑制するアクティブコーティング技術:同社のコーティングは、抗菌成分をフィルム表面に安定的に固定化し、食品と接触する部分で細菌の増殖を抑制するアクティブ包装技術。抗菌成分は拡散・徐放される仕組みではなく、接触面で作用し、食品の腐敗原因となる微生物活動を抑え、鮮度保持効果を高める。

ビジネスモデル
- Freshr Technologiesは、B2Bモデルを中心に食品サプライチェーンの各プレイヤーに同社製品・価値を提供
- 水産加工業者:保存期間の延長により輸送距離の拡大や高付加価値製品の展開を可能にし、物流コストの削減にも貢献。
- 小売業者:食品廃棄の削減によるコスト低減と収益機会の創出を実現し、サステナビリティ目標への対応にも寄与。
- 包装フィルムメーカー:既存フィルムに組み込むことで、従来のコモディティ製品から高付加価値の機能性包装への転換に貢献。フィルムメーカーとはコーティングラインを通じたパートナーシップを構築し、機能性包装の拡充を目指す。
なぜ今この会社なのか
- 食品ロスは経済的損失だけでなく、温室効果ガス排出の約10%を占めるなど、環境負荷の増大にもつながる深刻な課題となっている。Freshr Technologiesの包装技術は、鮮度保持と腐敗抑制によって生鮮タンパク質の賞味期限を延長し、食品ロス削減を実現する。これにより、流通業者は輸送手段の選択肢が広がり、小売業者は廃棄削減による収益回復が可能となる。(例えば、新鮮なサーモンの賞味期限を2〜4日延ばすことで、廃棄を最大50%削減できる可能性があるとされている)。
顧客・競合・パートナー
- 顧客:食品加工企業(鮮魚・肉類など)、小売・流通企業、包装材メーカー・コンバーター
- 競合:既存のアクティブ包装素材・抗菌コーティング企業、食品保存技術を提供する化学・包装材料企業
- パートナー:カナダ政府機関(ACOA)からの支援を受けているほか、三菱ケミカルが戦略的出資および共同開発契約を締結
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