注目ベンチャー紹介:Fourier

Written by Ryo Takei

今回の注目ベンチャーの紹介はFourierす。
Fourierは、オンサイト水素製造を可能にするモジュール型電解システムを開発するクライメートテック企業です。米国を拠点に、データセンターの設計思想を応用したコンパクトで高効率な水素電解装置により、インフラ制約や分配コストを解消し、脱炭素エネルギーの普及を目指します。

※取り扱い注意!こちらの情報の展開は社内限りです※

Fourier

https://fourier.earth/

サービス/プロダクト概要

  • Fourierは、データセンターから着想を得たモジュール型電解システムを設計・提供しています。装置は標準的なサーバーラック2台分程度のサイズに収まり、複数の小さな電解セル(ブレード)と共通の水・電力供給回路を使って水を電気分解し、水素を生成します。これにより、場所や規模を問わずオンサイト(現場生産)・オンデマンドでグリーン水素を製造することが可能です。

図:Fourierのモジュール型電解システム

特徴・提供価値

  • モジュール型で生産・設置を効率化:同社のシステムは、小さな電解セル(ブレード)を多数並列化し、それを統合することで効率と柔軟性を両立。モジュール化により、製造・設置コストの低減と拡張性を高めている。
  • データセンター技術を応用した最適化制御:電力供給には、データセンター向け電源装置を改造して流用し、ソフトウェアで各ブレードの動作を最適化する。このアプローチは、リチウムイオン電池管理の考え方にヒントを得たもので、リアルタイム制御による運転効率向上を実現している。
  • 高いコスト・エネルギー効率:同社によれば、Fourierのシステムは既存のグリーン水素価格(約13〜14ドル/kg)に対し、政府補助金を除いても約6〜7ドル/kgの水素供給を可能にするとされ、価格競争力を大幅に向上させることができる。
  • オンサイト生産が物流コストを削減:四角い小型モジュールで現場に設置できるため、水素の輸送・貯蔵に伴う安全対策・コストを大幅に削減。これにより、工場・化学プラント・発電施設などでの利用が現実的になる。

図:Fourierのシステムの利用可能性

ビジネスモデル

  • 顧客は必要な場所に必要な規模で装置を導入することができ、Fourierがオンサイト水素製造装置の設置・保守・運用支援を実施、「水素(Hydrogen)-as-a-Service」モデルや長期供給契約などを通じて安定した水素供給を提供、水素の利用量に応じたと収益を得る。

なぜ今この会社なのか

  • 水素は脱炭素エネルギー社会の中核として期待されながらも、製造効率と流通コストの高さ(貯蔵・輸送の難しさ)が普及の障壁になっている。Fourierはモジュール型・ソフトウェア最適化を組み合わせ、これらの難題に対する実装性の高い水素製造を目指す。つまり、使用場所で水素を製造し、貯蔵を最小限に抑え、物流の複雑さを排除し、運用上の負担なく、信頼性が高く予測可能な供給を顧客に提供する。オンサイト生産の実現は、再生可能エネルギーの活用を促進し、エネルギーの効率的な脱炭素化・水素エネルギーの普及に直結する。

顧客・競合・パートナー

  • 顧客:化学・製薬・素材製造企業、発電所・工場など、輸送水素を購入している(水素需要を持つ)産業拠点。
  • 競合:他の水素電解装置メーカーやグリーン水素プラント企業(集中型・大規模電解装置)。Fourierはコンパクトでソフトウェア最適化を前提とした分散型水素製造という位置付けで差別化

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