注目ベンチャー紹介:Elemental Advanced Materials
2026
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Written by Ryo Takei
今回の注目ベンチャーの紹介はElemental Advanced Materialsです。
Elemental Advanced Materialsは、混合・汚染された廃プラスチックなど再利用が難しい炭素含有廃棄物を、高性能な炭素ナノ材料とクリーン水素へと変換する技術を開発するマテリアルテック企業です。米国テキサス州ヒューストンを拠点に、CO2を排出しないシングルステップ製造プロセスをコア技術として、循環型かつ高付加価値な素材と低炭素エネルギーを同時に生み出すプラットフォームを構築しています。
Elemental Advanced Materials
サービス/プロダクト概要
- Elemental Advanced Materialsは、特許取得済みのシングルステップ製造プロセスにより、廃プラスチック(多層フィルムや汚染プラスチックを含む)、炭化水素系ガス、有機廃棄物などを原料として投入し、
- カーボンナノオニオン(球状グラフェン)を中心とする炭素ナノ材料
- 水素ガス(クリーン水素)
を同時に生成します。

特徴・提供価値
- 廃棄物から高付加価値材料への直接変換:リサイクルが困難な混合・汚染プラスチックを、高性能カーボンナノ材料へと直接変換。廃棄物処理と高付加価値素材の製造を同時に実現する。
- クリーン水素の同時製造:同一プロセス内で水素ガスを生成できるため、材料製造とエネルギー生産を一体化。廃棄物を原料としながら、「高機能材料+エネルギー」という二重の価値を提供する。
- カーボンナノオニオンの優れた機能性:生成されるカーボンナノオニオンは、プラスチックや樹脂の耐久性・難燃性向上、電気伝導性・熱伝導性の改善、コンクリートの圧縮強度向上などに寄与し、幅広い産業用途で活用可能。
- 低環境負荷かつスケーラブルな設計:多段階プロセスや有害薬品を必要とせず、廃棄物排出を最小化。連続運転が可能な設計のため、商業スケールへの展開が現実的である点が強み。

ビジネスモデル
- 炭素ナノ材料はB2Bモデルを中心に、3段階の用途・ターゲット市場戦略を描く。
- コンクリート/アスファルト
参入障壁が低く、量が大きい市場。材料特性改善効果が分かりやすく、初期の商業展開先。 - プラスチック、塗料、ポリマー、コーティング剤
耐久性・難燃性・導電性向上を目的とした中付加価値用途。 - EVバッテリー/スーパーキャパシタ
グラファイト代替としての利用を見据えた最も高付加価値な市場。
- コンクリート/アスファルト
- 加えて、クリーン水素の供給、共同開発・ライセンス契約による用途別展開へと拡充し、性能・品質・環境価値を同時に求める産業顧客のニーズに応える。

なぜ今この会社なのか
- 世界的に、廃プラスチック問題、資源循環、脱炭素、高性能材料需要が同時に拡大している中、Elemental Advanced Materialsはこれらの課題を単一プロセスで横断的に解決できる点が大きな特徴。「廃棄物処理」ではなく、「高付加価値材料とエネルギーを生み出す製造プラットフォーム」として位置づけられる同社のアプローチは、循環型社会への移行が進む今の潮流と高い整合性を持っている。
顧客・競合・パートナー
- 顧客:電池・電子デバイス製造企業、コンクリート・建材メーカー、複合材料メーカー、高機能ポリマー企業、水素需要者。
- 競合:カーボンナノ材料メーカー(グラフェン、カーボンナノチューブ等)や、化学的・熱的リサイクル技術を展開する企業。ただしElemental Advanced Materialsは、材料と水素を同時に生成する複合価値で差別化。
- パートナー:素材メーカー、建材・化学企業、廃棄物処理事業者、エネルギー関連企業など、商業化・用途開拓を担う産業パートナー。
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