注目ベンチャー紹介:Ebb Carbon

2024
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Written by Yuhei Yano

今回の注目ベンチャーの紹介はEbb Carbonです。

同社は独自の電気透析手法により海水の化学的性質を変化させ、海水のCO2吸収能力を向上させる装置を開発しています。

※取り扱い注意!こちらの情報の展開は社内限りです※

Ebb Carbon

https://www.ebbcarbon.com/

サービス/プロダクト概要

  • 独自の電気透析手法により海水の化学的性質を変化させ、海水のCO2吸収能力を向上させる装置を開発
画像出所:https://www.greenbiz.com/article/dream-team-ocean-carbon-capture

特徴/提供価値

  • 海水淡水化施設などから得る塩水を、水酸化ナトリウム(NaOH)と塩酸(HCl)に分離。そしてNaOHだけを海に戻すことで、海水の酸性化を抑える。(NaOHとCO2が反応するときに、海の酸性度を上昇させる水素イオン(H+)が発生しないため)
  • さらに塩基を加えて炭酸イオンにシフトさせることで重炭酸塩が形成され、安全かつ長期的に炭酸カルシウム(CaCO3)としてCO2が貯蔵できるようにする。
  • 同社は、この手法を使ってCO2回収コストを今後5年以内に$100/t以下となることを目指す
  • また、電気透析によって生じる酸と塩基の副産物(HClなど)も、工業的な価値があるため、副産物として販売することで収益を生み出すことも目指す

ビジネスモデル

  • カーボンクレジット市場での収益化と電気透析プロセスで得られる副産物の販売

市場動向・なぜこの会社なのか?

  • 同社のプロセスは、再生可能エネルギーを用いて行われ、CO2の負の排出(ネガティブエミッション)を実現することで、気候変動への対策に貢献する。
  • 自然の仕組みを利用することで、直接空気回収(DAC)など他のCO2除去技術より低コストでCO2を回収でき、エネルギー消費量が少なくて済む

顧客・競合・パートナー

  • 顧客:ストライプ社とオフセット契約を締結。
  • パートナー:DOE管轄のパシフィック・ノースウェスト国立研究所(PNNL)施設に設置し実証中
  • 競合:電気化学的手法で海水からCO2を直接取り出す、Captura社(過去Blog記事)など
※取り扱い注意!こちらの情報の展開は社内限りです※

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