注目ベンチャー紹介:Cedar
2025
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Written by Yuhei Yano
今回の注目ベンチャーの紹介はCedarです。
同社はステーブルコイン(USDC,USDT)と法定通貨レール(銀行ネットワーク)を統合したクロスボーダーB2B決済プラットフォームを運営しています。
Cedar
サービス/プロダクト概要
- ステーブルコイン(USDC,USDT)と法定通貨レール(銀行ネットワーク)を統合したクロスボーダーB2B決済プラットフォームを運営
- 輸出入取引にフォーカス
- 初期的には主にアフリカ・中東の輸入企業が、先進国の輸出企業へ安全・即時・コンプライアンス対応済みの支払いを可能にすることを目指している

特徴/提供価値
送金プロセス概要
- 1)インボイス登録/見積り生成:Cedarプラットフォーム上で輸入企業が支払いリクエストを作成。
- 2)ローカル通貨入金/承認:輸入企業は現地通貨で支払い、Cedarがレートをロック。
- 3)ステーブルコイン変換→ 法定通貨送金:Cedarがステーブルコイン経由で資金を移動し、最終的に輸出企業の銀行口座にUSD・JPYなどの法定通貨で着金。
- 即時性(T+1決済):ステーブルコイン区間の決済即時性を活かし、最短翌営業日送金を実現。SWIFTなどの従来送金は着金まで数日を要する
- 透明性とレート管理:リアルタイム見積り(Quote)とレートロック機能で、為替変動リスクを排除。ユーザーは取引確定時に最終金額を把握できる
- 規制順守:米国(FinCENMSB登録)、カナダ(FINTRAC)MSB登録済み。さらに各国ではライセンス保有期間(MSB、EMI、銀行)と提携し、Cedar自体は資金を保有せずに、規制対応済みパートナー経由で決済を行う
- 貿易実需に対応:全ての決済にインボイス提出を必須とし、AML・KYC審査を標準化
ビジネスモデル
ビジネス構造
- ステーブルコイン区間:BCを利用して即時・低コスト送金
- 法定通貨区間(FiatRail):銀行・認定決済事業者を通じて現地通貨での入出金を実施
- Cedarの役割:両レールをAPIで統合し、規制・透明性・レート管理を担うオーケストレーションレイヤー(中間層)を担う
収益源
- 為替スプレッド(FXマージン)
- 取引手数料(トランザクションフィー)
- API利用料・カスタムコレクション導入料
市場動向・なぜこの会社なのか?
アフリカ市場のFX・決済問題:
- 銀行網が脆弱で、国際送金が数日〜数週間遅延。
- 現地通貨の流動性が低く、輸入企業がUSDを確保できない。
- 日本企業を含む輸出業者は、代金回収の遅れと為替損失に直面している。
Cedarの解決策・ポジショにニング:
- 安定通貨を中継することで即時決済を実現し、現地パートナー銀行が法定通貨レールを担う仕組みにより、規制順守・透明性・スピードを両立する。
顧客・競合・パートナー
- 顧客:アフリカ向け輸出でFX・回収遅延リスクを抱える企業
- パートナー:各国の銀行・MSB・EMIなど
- 競合: Wise, Thunes, BitsoBusiness, NALAなど法定通貨中心(またはB2C中心)としたプレイヤーは多数存在