注目ベンチャー紹介:Archil
2025
.
06
.
24

Written by Yusaku Masunaga
今回の注目ベンチャーの紹介はArchilです。
Archilは、Amazon S3バケットをAIで利用するためのデータアクセスを可能とする技術を開発しています。
Archil
サービス/プロダクト概要
Archilは、Amazon S3バケットを無制限容量・ローカルファイルシステムのように扱えるクラウドストレージプラットフォームです。AIモデルのトレーニングや分析に必要な大規模データセットへのアクセスを、コード変更なしで即時・高速に行えるように設計されています。

特徴・提供価値
- 30倍高速なアクセスとサブミリ秒応答:S3への直接アクセスに比べ、30倍高速で低レイテンシーを実現。
- 90%のコスト削減:EBSなどのブロックストレージを使うより安価。
- POSIX完全互換:リネーム、追記、ロックなど、既存アプリそのまま実行可能。
- 共有キャッシュ層:複数インスタンス間でキャッシュを共有し、スケーラブルで一貫性のある高速アクセスを提供。
- 統合型データレイヤー:クラウドストレージを即座に“無限ディスク”として利用できるため、データ移動や容量計画が不要。
ビジネスモデル
- サブスクリプションモデル。標準価格は月額0.20ドル/ギガバイト
- MSSP向けに小規模顧客向け低価格プラン(年間1万ドルから)も提供
なぜ今この会社なのか
- データ転送が時間とコストが大きく、AIや分析による大規模データアクセスのボトルネックとなっている。
- クラウドネイティブアプリの需要拡大。
- ユーザーにはS3の耐久性とコスト効率を維持しながら利用を延命したいニーズがある。
M
顧客・競合・パートナー
- 顧客:Fly.ioやDepotが初期導入企業。
- 競合:Alluxio、Quobyteといったストレージ仮想化系。AWSも類似機能を提供している。
こちらの記事に対するお問い合わせやMTGの依頼などはこちらのアドレスからお気軽にご連絡ください。
info@tgvp.vc
TGVPは米国を中心としたスタートアップ企業とTOPPANグループの連携を推進しております。