注目ベンチャー紹介:Arcee AI
2025
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09
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Written by Issei Kusano
今回の注目ベンチャーの紹介はArcee AIです。
Arcee AIは、独自の言語モデルを持ち、企業向けにカスタマイズされたSLM(小規模言語モデル)を作るための基盤を提供しています。またマージキットを用いたSLMの統合を行うことも可能です。
Arcee AI
サービス/プロダクト概要
- 企業向けにカスタマイズされたSLM(小規模言語モデル)を作るための基盤の提供
特徴・提供価値
- 特定のユースケース向けに設計された小規模言語モデルを開発しており、クラウド、オンプレミス、エッジデバイスを含む複数の環境で展開可能なスケーラブルでコスト効果の高い基盤モデルを提供
- AFM(Arcee Foundation Models) 4.5モデルは、一から訓練された同社初の45億パラメータの基盤モデルであり、エッジデバイス展開向けに最適化され、4GBのメモリフットプリント、CPU最適化機能、Google、Metaを含む競合他社モデルと比較して優れた性能を実現
- 計算リソースが制約されるIoTやロボティクスアプリケーション向けに、5億パラメーターの小型バリエーションの開発も進めている
- データ開発キットは高度な検索と合成データセット生成機能を提供し、ArceeのフレームワークはCrewAI、LangGraph、AutoGenなどの人気フレームワークとの統合を備えたマルチエージェントオーケストレーションを実現
- フォージカスタマイズツールキットは、モデルマージ、強化学習、反復トレーニングを可能にし、GPTやClaudeなどの汎用モデルを専門用途で上回るドメイン特化型バリエーションを作成可能。また、限られた数のゴールデンサンプルから数千のトレーニング例を生成する合成データ生成機能も保有
- Arceeのモデルマージ技術は、同じサイズとアーキテクチャを持つ2つ以上のモデルのレイヤーを融合し、パラメーター数を増やすことなく複数の専門モデルの強みを組み合わせたハイブリッドモデルを作成可能
ビジネスモデル
- 現在、オープンソースモデル+有料サポートサービス or モデルアクセスに対するライセンス料 を検討中
なぜ今この会社なのか
- 大規模言語モデルは膨大な計算リソースを必要とし、コストは使用量に比例して増加し、多くの企業における広範な展開は現実的な選択肢ではなくなってきている
- SaaS AIプラットフォームは、コンプライアンスとデータ主権に関する重大なリスクを伴い、機密性の高い企業データが環境外に流出する可能性があり、規制が厳しい業界では規制違反のリスクが存在
顧客・競合・パートナー
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