注目ベンチャー紹介:BioTwin
2025
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Written by Issei Kusano
今回の注目ベンチャーの紹介はBioTwinです。
BioTwinは、従来の鉄製壁用スタッドを置き換えるヘンプ(麻)ベースの内装用壁スタッドを開発しています。
BioTwin
サービス/プロダクト概要
- 麻繊維、麻シャイブ(麻の茎の破片)、羊毛や熱可塑バインダーを使った複合素材の壁用スタッドで、パーティション壁向けに設計されており、鉄製スタッド比で大幅に低炭素化を実現可能

特徴・提供価値
- 従来のスチールスタッドに代わるヘンプ由来の建材を開発。建築の間仕切り壁(パーティション)に使用されるスチールスタッドの炭素排出量を大幅に削減(従来のスチールスタッド比で71.5%のCO₂削減を実現)
- 建築業界において、材料段階の炭素(エンボディド・カーボン)削減が規制化・義務化が進む
- 従来の鉄スタッドと同じ寸法・施工方法を意図し「ドロップ-イン(既存の鉄スタッドを置き換え可能)
- 製造工程は原料処理 → バインダー含浸 → プレス成形の3工程を経て平板を製造し、熱成形でスタッド形状に加工
- BRE(英国建築研究機構)により、耐火性・構造強度・遮音性を検証済み(60分・120分耐火性能(石膏ボード併用時)および音響性能改善(鉄スタッド比+1~5 dB)を取得済)
- 原料はリトアニア産、ヨーロッパのパートナー工場(ドイツ・ポーランドなど)で一次加工、最終成形は英国自社工場で実施(将来的には製造工程を統合し、一段階プロセスによるコスト削減を計画中)
ビジネスモデル
- 壁用スタッド)ユニットの販売
- 将来的にはライセンス供与モデルも検討
なぜ今この会社なのか
- 建築・建材業界では「エンボディド・カーボン(材料・製造段階の炭素排出)」の削減が急務となっており、国や地域による規制強化・顧客(開発者・テナント)のESG要求が高まっている
- 内装壁材(特に非構造パーティション壁)は年間大量に使われており、鉄スタッド等従来材料の「100年変わっていない」構造に対して代替需要が発生
顧客・競合・パートナー
- 顧客:ディベロッパー、建築資材販売会社
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